昨夜と気付き、十三夜。
3月6日の 真夜中の
雲一ない 澄空で堂々と
天中一点 煌々と
輝く月光 十三夜。
暗闇の中で、 くっきりと
光の魂 磨き切り
この日に 備えし月ならば
神々しきは 十三夜。
脇に控える 星群を、
見据て輝(ひか)る 天空に
闇夜を照らす 満月前の月ながら
草木も浮かぶ 十三夜
めったにない息をのむ
うつくしさだった。
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思い出すことがある。
遠い昔のはなし。
国語の現代文の授業で樋口一葉の
「十三夜」を受けたことを
思いだした。
一女性が、ある身分の高い
家に嫁ぐが、いろんな
いじめを受ける。
受け止めかねて、離別を選ぶ
決心をするが、実家の親から
別れないでくれと、涙ながらに
頼まれて、辛抱するのを選ぶ。
その帰り道、昔の恋人時代だった
車夫の引く車に乗る。
落ちぶれた昔の恋人から身の上話を
聞いた女性であったが、元の嫁いだ家に
戻っていった。
(登場人物名は、あえて3人称とした)
そんな話だったと思う。
・この十三夜は、1895年12月、「文芸倶楽部」で発表された。
・代表作として「打つ背に」「たけくらべ」「十三夜」がある。
・樋口一葉は、1872年5月2日東京府(今の東京都)で生まれて
非常に短命で24歳の若さでなくなっている。
自然の月も、架空の史も
忘れがたきは
十三夜。
ありがとうございました。
完。