家内の体調が少し悪いので買い物は
任されていて、子供たちも春休みで
泊まり込みでやって来るのでいつもは
いらない以上の量を買い出しに行った。
火曜日の恒例の大安売りの日で、客は多く
他人さんの買い物入れは、いつもより
膨らんでいた。
自分もノルマが増えてチャリンコの前、
後ろの籠にはいつも買う食料をはるかに
超えていて「これだったら、車が良かった
かも」と言うくらいの量であった。
帰りの道すがら、公園には桜の木があって
目に映った。
早や、散り始めていて全体に少し緑っぽく
なっていた。
すでに葉桜の様子だと感じた。
4時を回ったころの公園には、すでに授業は
済んで帰宅を済ませた児童たちが、散りじりに
遊んでいた。
ふっと思い公園の入り口で自転車を止めて
桜の写真を撮り始めた。
数枚の桜の写真や公園をきれいにする
有志の団体が育てた花々を収めた。
やはりこの季節、一番花は似合う。
どんな花でも美しい。
さくらも寂しくなったな~。
植えられた花のグラデーションがいいなあ~。
心無い人が荒らさなければいいなあ~。
花を手入れは、ご苦労さんだなあ~。
そんなことを考えていたチョットの油断で
ドサっと自転車が倒れて、積んであった袋
が、ちらかってしまったのである。
公園の緩やかな地面で
前かごに思い食料を載せていたので
ハンドルが回転してバランスを崩して
たおれたんだ。
と後になってきがついた。
「あっ、しまった」と思ったがあとのまつり
バサッとおとがした。食料の袋は散乱。
慌てて自転車を起こすのに、少し重い荷で、
手間取っていた。
その時、小学校3,3年ぐらいの子供たちが、
友達同士で近くで遊んでいたのだろう。
どこともなく自転車の倒れた音に反応して
3,4人ほど集まってきてくれて
ちらかった荷物を無言で拾い集めてくれた。
そして、
真っ直ぐ私の目をみて、拾った荷物を
差し出ししてくれた。
その目は本当に純粋で、澄んでいた。
あの真剣な目は、見たことがない。
私は、受け釣った反動で、すぐ「ありがとね」
と。
子供たちは渡すと、何もなかったように
散っていった。
私の心には、温かい子供たちの親切さが
心に焼き付いている。
ありがとうございました。
完。