今地震の話をすると、シリア・トルコン大地震を
思い出させます。
それほど、今まで見たこともない大きな災害
であったことによります。
トルコはこの2週間でもって地震災害者の救出
を打ち切ると言います。
まだまだ地中に取り残された人は、せめて
掘り起こして、荼毘にふせてあげたいのでしょうが
あまりにも範囲が広すぎて、手の打ちようがない
なのでしょうか。
ウニバーシティコレヅジ・ロンドンの
リスク・防災研究所長のよれば
この地域では同程度の地震は2回程度、
阪のビル10年でも4回あったと証言
しています。
でもその時と今回とはいろいろな面で
条件が違い、複雑な条件が増幅された
と思うのです。
そもそもこの地震で被害が多く出たのは、
どうしてなのでしょうか。
列挙すれば
① 地震の規模が、M7以上が、連続的に起こった。
② 地震の規模が、想像以上の断層を伴っていた。(BBC)
(長さ100kmにわたる断層が影響した)
③ 手抜き工事があった。
④ 旧耐震適用の建築物が多く、過去の地震で
かろうじて残った建物の被害がでた。
そんなことが、報道では散見されていました。
被害を与えるこの地震の力は阪神淡路大震災の
「横ずれ断層型」と同じ型と言われていそのです。
横のずれは、
阪神淡路大震災の20倍と推定される
ということです。
トルコでは、地震国なので新耐震の技術的指針が
厳しく制定されていると言います。
*****
(構造物も同じ基準が適用)
日本の基準で
例題を計算してみましょう。
平屋の鉄筋コンクリートを考える
としましょう。
ここで、地震計算に必要な
標準地震層剪断(せんだん)力係数があり、
C0=0.2
であらわします。(地震エネルギー)
つまり
C0を使い各階の地震力を計算します。
ここで、各層に掛かる地震力Ciは
Ci(地震力)=ZxRtxAixC0(=0.2)
①Z:地域係数
②Rt:地震特性係数
③Ai:高さ方向に増える係数
例えば
平面の横、縦が 20mx20mとして
高さが、3mとしたとして、
この建物の全重量
W=100t(トン)の重さであった
としましょう。
① Z=Rt=Ai=1として
計算します。
すると、Ci=1x1x1x0.2=0.2
高さの半分の重
W/2=100÷2=50t
地震の横揺れは
高さの半分の重さに、 層せん弾力系数 C0=0.2
を乗算して
Qi=50x0.2=10t
この建物は、左右、上下の方向から地震が
起きた時10tで押されることになります。
(ただC0=0.3でもできる建築物があります。)
この重さに
ではこの建物が地震で揺れた時の横揺れを
推定します。
トルコでは、以下の基準がありますが、
標準剪断力が、日本の基準値より
低いと思われます。
””
「(日経XTECH抜粋)」
(見出し:イスタンブール工科大学耐震専門家に聞く)
トルコにおける耐震設計の現状を教えてください。
トルコの耐震基準は1961年、68年、75年、98年、2000年(せん断補強筋など、耐震性を考えた構造ディテールに更新)、07年(性能照査型設計法の採用)、18年(現行の耐震基準)に改定されています。
通常の地盤条件における5階建てRC造建築物を例に、耐震基準の改定年ごとに1階の層せん断力係数(地震地域係数や地盤条件、建物の構造形式などによって決まる)を示すと、1961年は2%、68年は4%、75年は6.4%、98年は12.5%、2000年は12.5%、07年は12.5%、18年は約15%となっています。
了」
””
日本では、C0=02であるけど、トルコは
C0=0.15であるから、日本基準で考えれば
日本と相違があります。少し低い値ですね。
ありがとうございました。
完。