15日に渡すはずの経費を家内に渡すことを
忘れていて、はっと気が付いて慌てて銀行
に車で走った。
何も言わない彼女の気心を痛いほど感じた。
銀行に着いたら締め切り7分前で、ひやっと
目的がおわった。
このまま家に帰るのがもったいなく思えて、
引き返す途中で考え事をしているうちに、
自宅に帰る交差点を右に曲がるタイミングが
遅れて、まっすぐに走り抜けてしまった。
ここでしばらく訪れていない遊歩道へと
足を運ぶ。4時前の国道は、あまり
車両の影がなく、通勤時間の通行量を
思い起こすと格段にすくなかった。
幼稚園の帰りの親子の忙しそうな
しぐさが、妙にゆう方に変わる時間帯の
景色をうつしだしていた。
あと10日で三月、いや今は2月だから28日だ。
8日ほどで奈良のお水取り、
そしてやがて春がやってくる。
そう思ったら今の季節の遊歩道を見たくなった。
車で、20分ほどで、懐かしい遊歩道についた。
まだ冬のにおいがあちこちに残る小川の
いつもの美しいたたずまいと、小川のせせらぎが
しんせんに映る。
そそくさ、スズメの数匹が会話品から
そこここの茂みの虫を取っている。
ときおり、若い親子は子犬の散歩で
通り過ぎるのをみるだけの静けさではある。
春にならんとする今の遊歩道は、その息吹を
ため込んでいるような雰囲気であった。
水の流れも多からず少なからずで、風のによる
出来る柔らかなさざ波の陰影が、
やがてやって来る春の
前触れを示しているようだった。
日端の梅の花が、訪れた人を歓迎するように
咲いていた。
ありがとうございました。
完
