ふと思いたった。確か家内から買い物を
言いつかっていたことを
夕方まで忘れていた。
頭の中が、真っ白になる。
すると、体がひとりでに反応した。
買い物に行かないと、と。
暑い夏なので、車を何かにつけて
足としていた。
久しぶりに自転車に乗る。
ハンドルを持って助走をつける。
忘れてない体の運動感触が、サドルを探る。
日が短くなったとふっと思う。
風が顔を通り過ぎる。
顔をなぜていく秋風が快い。
路傍の花云々も強さは感じないが
身の丈で咲いている。
近道をして、団地の道を進む。
人通りはやはり、まばらである。
降りて、歩道橋の写真を撮る。
すれ違う人も、今年の春ごろは
親子連の家族は見ない。
運動の人に会うだけだった。
進む遊歩道の小川の水も、自然のせせらぎとなり
川面をゆっくりと川下に流れていく。
水草の緑が、すり寄って来るように
私の目をとらえて、迫る。
流れる水は巨大な岩をすり抜けながら
過ぎ去る時間の影を作っていく。
離れたとところから
救急車のせわしないサイレンの音が
断続的に聞こえてくる。
ありがとうございました。
200924
完