宇奈月ブログ

人生の旅人

木造住宅と津波の話

10年前の東日本大震災において、ほとんどの住宅は
流されていきました。

津波ずが押し寄せたとき、木造は流れ込んできた
水に沈みました。

そしてしばらくすると流されていきました。
考えれば大抵のものは浮きました。
自動車もしかりでした。

理科的(物理的)な宿命があったのです。

ではなぜながされたかを、皆さんは
よくご存じですが、
その流される理由を順序だててせつめいします。


    目   次

1 木造として宿命として材料が軽い。
2 工法上、上向きの力に対しては、
 屋根などの一部を除けば考慮されていない。
3、横力について特に、流れる水の力の
  抵抗力が、皆無。
4、あとがき

  
1、木造として宿命がある。

他の材料も同じことが言えますが、
木造の住宅について今回は話します。

なぜ浮くかという事ですね。材料には特有の重さがあり、例えば、
水、鉄、アルミ、コンクリート、木、などは、材料特有の重さがあります。
水:1000kg/m2
鉄:7850
アルミ:2600
コンクリート:2300
木材 :500(杉)、600(ヒノキ)
が知られています。
ここに表された材料は、木材以外すべて
水より浮きません。

ではなぜ浮かないのか。

重さだけの説明だけでは「浮く」
説明にはなりません。

例えば説明として、「鉄と水比較したら
鉄が重いから浮かないんだ」
と答えるのはおおむね正解です。

しかし100点の答えではありません。
そこには、もう一つの言葉が必要だからです。

つまり、 なぜ浮いたかです。

その重さは、標準で「水に比べて」
どのくらい違うのかを数値でとらえます。
その表し方を「比重」と言います。

つまり、水の比重を1.0で表した時に、例えば木材の
重さの比 はどのくらいかを知る必要があります。

ここで木材の
比重=木材の重さ÷水の重さ=600/1000=0,6

こう見ると、木材は、水よりかなり軽く
水に中に入れると、体積の半分近くが
浮いてしまうことになります。
水につかることで浮力が加わります。

実際の住宅は、家にはたくさんの物があるため
こんなに浮きませんが、地面から離れようとします。

特に住宅は、木造で作られています。
途中で分解したり、そのまま津波に飲まれて、
流されて、漂流物に当たり最後は分解してしまうのです。


2 工法上、上向きの力に対しては
屋根などの一部を除けば考慮されていない。


木造は、組み上げていく工法であるから、
下層のおえに積み上げていき、それを釘または、
金物等で
上からくぎを打ち下え順次力を逃がす工法であり、
浮力に対しては家屋などが戸などで内外が密閉されて
家の浮力は釘の摩擦ぐらいでは、心もとないと思われる。

3、横力について特に、流れる水へ
の力の抵抗力が、皆無。

津波などの水の圧力には、筋交い、構造用合板
地震時に力を発揮しますが、その抵抗力にも勝る
水力の横力には抵抗しきれない。
また
主柱のホールダウン(地震で起きる上向きの力
を抑える柱と基礎を緊結用に取り付ける金物)は、
地震の浮き上がりには効力ありますが、

津波の横力にはせん断抵抗は
不足しがちです。

4、あとがき
津波の来そうな地域は、基本的に 鉄筋コンクリート
とするか、一階を少なくとも鉄筋コンクリート造として
造りたいものです。


ありがとうございました。
おやすみなさい