街の夕暮れは、いつも忙しい。
家路を急ぐ新婚らしき若い男女。
夕餉の支度に悩んでいそうな主婦たち。
はるか遠い場所から昼夜をかけて
運んできた運送屋。
これから勤めが始まる老若男女の車。
そんな空気を肌で感じながら、
街の中心部にゆっくりと向かった。
写真の場所は
決まった場所はないが大体この場所に
行けば、と思いながらの行動であった。
冬のこの時間帯にしては、
肌をなぜる風が暖かい。
役所の造園部が植えた銀杏の根元に
パンジーが可愛く咲いている。
5分程度走って前方を見ると、
初老の知り合いの老人が、
愛犬を散歩さしていた。
家路に帰る人込みの流れを逆の
方向にかき分けながら落日の太陽を
追っていく。
沈んでしまうまで、あまり時間がない。
歩道の付いた県道を家路へ急ぐ自転車の
固まりが、歩道いっぱいになり乍ら
私の行く手をさえぎる。
逆行する私は、事故回避のため
仕方なしに車道の左側を進む。
自転車は軽車両だから彼らは
右歩道の通行だろう、
大人が守らないと.。ね!
大きな繁華街で、右折左折を
繰り返しながら私は目的地に向かう。
暫く走ると工業団地の広い道路についた。
此処は広い4車線の開けた場所で、
日の光と陰を撮るには、良い場所だった。
遮るものが、少ない良い場所だった。
水平線にしずむすれすれであった。
街の自然と光と陰が、うつくしい。
何時までも関わっていきたい。
ありがとうございました。
完